村田の樹

何年か前の公演の時に読んだ3冊の絵本の一つ

 ちょうどこの季節だったから 思い出した。

 ここに記録として載せておこう。

 またいつか読もうっと。









 『村田の樹ーMurata no kiー』








 村田の樹は、いつもひっそりと公園の片隅に立っていました


ぐーっと左に曲がった枝 前に倒れかかるように立っています


 ある日、村田はこんな事を考えていました


この景色の先にはどんなことが待っているのかな


いつまでも僕はここに立っているのかなぁ

 もっと他の景色を見てみたい

 次第にその想いは強くなっていきました

 想いは願いになり、何年かしたある日 村田の樹は根っこを足にして地面から動き出しました

 村田の樹は少しずつなれない足で歩き始めました

どんどん歩き、沢山の景色をみました

歩くたびに現れる今まで見たことない景色にとても感動していきました


しかし根っこを足に歩き出した村田のきは栄養をとる手段をなくし、少しずつ痩せていきました


 感動の想いを胸に膨らませながら 枝や根っこはどんどん細くなっていきました


 村田の樹は想いました

 やっぱりあの公園にいればよかったな

 少し後悔の想いを胸にしました

 でも。

 たくさんの素晴らしい景色を思い出すと 村田の樹はとても幸せになりました


 村田は歩いては歩いては、たくさんの素晴らしい景色をみました


 しかし。 そのうち、村田の樹は歩く事も出来ないくらい、やせ細ってしまいました」


 村田の樹は思いました


 もうこれ以上は歩けない

 だからここで、ゆっくりとこの景色を眺めていよう


 村田の樹が立ち止まった場所は

 綺麗な星が輝き見える小さな町の丘でした


 村田の樹は思いました


 ここで今までみた沢山の景色をあの星空に写し出そう

 村田の樹にはたくさんの思い出と感動の経験が溢れるほどにたくさんできていました


 あの公園にいたら見れなかった景色が沢山みれたんだもんな 


ここまできてよかったなぁ、、、





 痩せ細った村田の樹はいつの間にか動かなくなりました 


そしていつしか痩せ細った村田は死んでしまいました




 あたりも暗くなり、夜になると


 痩せ細った村田の樹に夜空の☆達が重なりあいました


 それはまるでクリスマスツリーのようにキラキラ輝いていました





 おしまい

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